歯周病治療
今や日本人の20代の7割、30代の8割が歯周病にかかっていると言われています。
こんな症状にお悩みではありませんか?
●歯ぐきから血が出る
●歯磨きのときに痛みがある
●口臭が気になる
●起きると口の中がネバネバしている
このような症状がある場合は歯周病の可能性が非常に高いです。コラーゲン(結合組織を構成するタンパク質)を溶かす酵素や毒素を放出する悪質な菌の感染症です。歯周病菌に感染すると、歯そのものではなく、歯肉(歯茎)や歯根膜、歯槽骨など、歯を支えている歯周組織が破壊されてしまう怖い病気です。
自覚症状がないため早期発見が難しく、来院されている時には、すでに重度の歯周病になっている場合がありますので、歯を残すためにも定期的な検診や予防で早期発見・早期治療が大切となります。
歯周病治療の流れ
ブラッシング指導
歯周病を徹底的に防ぐ為には歯磨き力!
歯肉炎程度ならほとんどがブラッシングで改善されます。歯周炎に進行しても、日々のブラッシングをきちんと行っていないと他の治療をしても効果が得られません。
たとえ手術や再生療法がうまくいっても、治療後のプラークコントロールが悪いと、また歯槽骨が溶け出すようになりせっかくの治療も無駄になってしまいます。
正しいブラッシング法を身につけて、ゆっくり時間をかけて磨くことが効果的です。
当院では、歯科衛生士によるTBI(ブラッシング指導)を行っております。患者さんの症状や口腔内にあった歯ブラシの選択や使用方法など丁寧にお伝えしております。
スケーリング・ルートプレーニング
スケーリングとは、歯に付着した歯石を「スケーラー」と呼ばれる器具を使って取り除く事を言います。歯石は歯周病の大きな原因の一つのため、この歯石を徹底的に除去することは歯周病治療においても非常に重要になってきます。
また、歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなるため、スケーリングだけでは奥深くの歯石を取ることができません。 そのため、スケーリングだけでは歯周病が改善しない場合には、奥深くの歯石や感染した歯質をきれいに取る必要があります。
そのためにはルートプレーニングという治療を行います。ルートプレーニングとは奥深くの歯石や感染した歯質を専用の器具を使ってきれいに除去する方法です。
レーザー治療で歯周病治療
痛みや出血も少ないレーザー治療で快適な治療を実現します。レーザーを照射することにより、細菌数の減少をはかり、炎症組織を焼き取ります。
レーザー光には「創傷治癒促進作用」といって、傷ついた組織・細胞の再生を促す作用があります。その為、歯周病の「再発率」が低いという特徴を持っています。また、レーザー照射で歯石を除去すると、歯垢や歯石が付着しにくくなるという性質もあります。
歯周病と全身疾患
今まで健康診断を受けたことがある方で高血圧、高血糖、高脂血症、肥満等をご指摘されたことがある方いらっしゃるでしょう。異常の程度が軽くてもこれらは相互にからみ合って糖尿病や心臓病などの生活習慣病のリスクを何倍にも高めます。こうした生活習慣病のメカニズムに歯周病が影響していることがわかってきました。 歯周病は細菌の感染による慢性の炎症です。細菌のつくる毒素や炎症を引き起こす物質が患部から血液中に入り、全身に悪影響を及ぼす可能性があります。一方、糖尿病や骨粗鬆症などがあると、歯周病が進行しやすく、治りも悪くなることが知られています。歯周病を全身との関わりでとらえるこは、歯周病の予防や生活習慣の予防、双方にとって大切といえます。
心臓に不安がある方
歯周病になるとその原因となる細菌が血液中に入り、心臓などに感染を引き起こす場合があります。心臓の内膜や弁膜に障害のある方にみられる細菌性新内膜炎は、その原因のほとんどが口の中を清潔に保つケアが欠かせません。また、歯周病の原因菌が心臓を取り巻く冠動脈に感染すると、毒素や炎症を引き起こす物質が血栓を起こしやすくし、動脈硬化を進行させる可能性も指摘されています。血栓、コレステロール、中性脂肪が高めの方は歯周病があれば、しっかり治療し、心臓のリスクを遠ざけたいものです。
血糖値が高めな方
糖尿病になると、歯周病にもなりやすいことがわかってきました。血糖値が高い状態が続くと、たんぱく質に糖が結合したものが血液中に増え、歯肉もその影響を受けて炎症が悪化しやすくなりますので、血糖値の良好なコントロールが大切です。また、遺伝的に糖尿病になりやすいアメリカのピマインディアンについての調査研究は、逆に歯周病の状態が糖尿病を悪化させる一つの証拠として注目をされています。抗生物質により歯周病を治療すると、血糖コントロールの状態を示すHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)の値が改善したのです。
たばこを吸う方
禁煙の習慣があると、歯周病が発症・進行するりすくは2~9倍に高まることがわかっています。たばこは高血糖と並んで歯周病を悪化させる2大危険因子といってもよく、たばこをやめなければ、歯周病の治療を受けても効果が得られにくい場合があります。